新着情報
製品紹介
スクリーン
ダウンロード
攻略ヒント
FAQ
購入



攻略ヒント

このページでは、お客様からの要望が多かった英語版マニュアルに記載されていた内容について攻略ヒントとなる13章に関する文章を日本語化したものです。各国の特徴について詳しく述べられた13章をご理解いただき、実際のゲームプレイに役立てて頂ければと思います。

目次

13.0 ワールドアットウォー:情報部資料
13.1 ドイツを中心とする欧州枢軸陣営
     ドイツはもっとも難易度の高い世界強国です。西部戦線、北アフリカ、Uボート戦など、多方面で同時に戦っているため、注意力が散漫になりやすいのです。ソビエト連邦へ侵攻する際は、大攻勢をかけ、最初の侵攻ターンにおいて国境線から最低でも2地域(area)先へ進出する必要があります。そして鉄道を復旧させ、歩兵を前線まで鉄道で戦略移動させます(1ターンは3か月です。それだけの時間があれば、さまざまなことが行えます)。ドイツ軍は数多くのユニットと物資(Supply)を投入して、早いうちにソ連軍ユニットをできるだけ多く撃破してください。簡単とは言えませんが、不可能ではありません。
    13.1.1 ドイツの戦略
     とにかく資源です。ドイツにとって資源の確保が最優先です。ユニットへの物資補給を絶やさず、ドイツが生き残るために不可欠な研究を続けるには、大量の資源ポイント(Resource Point)を必要とする工場(Factory)を稼働させ続けなければなりません。ひとたびアメリカが参戦したら、ドイツが攻勢を維持するのは難しくなります。
     資源ポイントの面から、北アフリカを保持し、そこから地中海を通ってドイツへと向かう補給線を維持することが重要です。北アフリカの資源がなければ、ドイツは工場をフル稼働させるのに四苦八苦することになります。そこでイタリア軍艦隊を使って地中海中央部の守りを固めましょう。地中海に艦隊を配置しておけば、それだけ連合軍は地中海を奪還するのに多くの損害を強いられることになります。ドイツ軍にとって早い段階でのエジプト占領も重要です。余裕があれば中東にも進撃しましょう。
     ただし中東へ進撃する際、ペルシャ(Persia)占領は避けてください(全滅しても構わないのであれば別です)。ペルシャに攻め込むと、ソ連軍と連合軍から攻撃を受けます。たとえペルシャを守りきっても、資源ポイントを完全に回復できるだけの物資ポイントは得られないでしょう。もし地中海を失えば、ペルシャに展開するユニットは全滅の憂き目に遭います。ですから地中海戦域で必要な兵力を無理してペルシャに送ってはなりません。エジプトを占領したら、十分な数の守備隊(garrison)と砲兵部隊(artillery unit)を配置して、敵が上陸作戦を行えないようにしましょう。戦上手の西側連合国(Western Allies)プレイヤーからエジプトを奪うのは至難の業ですが、やってみる価値はあります。
     凍てつく北欧のノルウェーに戦略的価値はありません(史実的にはありました)。このゲームに出てくるノルウェーには、Uボートのドックも、艦船が身を隠せるフィヨルドもないのです。それでもノルウェーを攻略して枢軸軍の灰色にすることを望むなら、砲兵や航空部隊を含めた大規模な守備隊を配備して、西側連合軍の反攻に備える必要があります。バルト海には輸送船(Transport)を配置してください。資源ポイントがフィンランドとノルウェーからドイツに送られるようになります(フィンランドとノルウェーは陸続きです)。
     イタリアはドイツにとって重要な工業地帯(Production region)であり、厳重な防衛体制を構築しなければなりません。イタリアの8つの工場ポイントがあれば、防御を犠牲にすることなく、多数の民兵(Militia)、潜水艦隊(Submarine Fleets)、物資(Supply)を生産したり、研究が行えます。なおこのゲームには、イタリア降伏ルール(Surrender Rules)があるので(セクション11.2参照)、イタリア北部と南部、どちらの地域にも、西側連合軍を易々と上陸させてはなりません。
    13.1.2 ドイツの研究
     ドイツは多かれ少なかれ大陸国家です。西側連合国と大西洋の制海権を巡って艦隊戦を繰り広げても、ドイツ海軍に勝ち目はありません。戦下手の西側連合国プレイヤーと戦っているときでさえ、艦隊を整備するには数か月から数年かかることを覚悟する必要があります。しかもその間に大西洋の状況は大きく変化するかもしれません。ドイツにとって最善の戦略は、むやみに海軍兵力を増強しないことです。
     代わりにドイツがもっとも得意とする分野の研究を重点的に進めましょう。それはまず、機甲部隊(Armor unit)の回避(Evasion)および攻撃(Attack)能力(rating)を高めることです。機甲部隊の防御能力は最大で9ないし10、攻撃能力は8ないし9です。さらに歩兵や砲兵の回避および攻撃能力も、防御・攻撃の両面で7ないし8にしましょう。最後にUボート(潜水艦)の改良にも力を入れてください。ドイツ軍の潜水艦が西側連合国の生命線である大西洋輸送船団に効果的な打撃を与え、1ターン以上洋上で生き残るには、回避および魚雷能力がともに3以上必要です。ただし西側連合軍は潜水艦を捕捉殲滅する軽艦隊(Light Fleet)や空母航空隊(Carrier Air)を多数展開させているので、群狼(ウルフパック)(wolfpack)戦術を取る潜水艦隊は消耗品と考えましょう。
     その次に優先する研究は、砲兵の回避能力と対空砲(Flak)や戦闘機(Fighter)隊の航空機攻撃(Air Attack)能力です。こうしたユニットは防衛の要となるだけでなく、攻撃時には強力な支援部隊となります。また戦闘機の移動能力を2に向上させるのも、極めて効果的です。

情報:
 ドイツ軍は超兵器の開発に積極的で、戦争が長引くにつれ、兵器設計は次第に奇抜になっていきました。その好例が、P.1000、通称「ラッテ(ねずみ)」の開発計画です。P.1000はVIII型戦車(マウス)さらに大きくしたもので、幸いにも試作段階まで開発が進みませんでした(マウスは2両が試作されています)。その巨大さたるや、陸上戦艦そのものです。全長35m、全高11m(左図の人間の寸法を参照)、左右両側に1.2m幅のキャタピラを3本ずつ履いています。動力系には24気筒の船舶用ディーゼルエンジンを2基か20気筒の船舶用ディーゼルエンジンが8基搭載され、総出力は17,000馬力となる予定でした。
 武装もまた驚異的なものとなるはずでした。主砲には280mm砲(シャルンホルスト級戦艦の主砲と同じ!)を2門装備し、他にも128mm砲を1門、20mm対空砲を8門、15mm機銃を2丁取り付けられる計画でした。さらに接近する敵歩兵を排除するための機銃も多数装備されたでしょう。あくまで推測ですが、ここに挙げた砲門を操作するのに必要な要員は60人をゆうに超えます。実際に製作されていれば、ほぼ無敵に近かったでしょう。装甲は上部のもっとも薄いところでも厚さは150mmに達し、これはティーガー戦車の正面装甲の2倍に相当します。幸いにも、この超巨大戦車は設計段階で中止され、流用を考えて戦艦から取り外された砲塔はノルウェーの沿岸砲台として使われました。

    13.1.3 ドイツの物資補給
     ドイツはつねに物資不足に悩まされます。というのも、敵の領土を占領すると、その地域の工場ポイントや資源ポイントがダメージを受けるため、その修復に膨大な量の物資を必要とするからです。ただし必要のないアイテムやまたすぐに敵に奪われそうなアイテムは、修理しないように気をつけましょう。せっかく修復したアイテムを奪われてしまっては、貴重な物資が無駄になります。
    13.1.4 パルチザン(Partisans)
     初期段階において、パルチザンが及ぼす影響は、さほど目立ったものではありませんが、1943年を境にフランスやユーゴスラビアではパルチザン活動が活発化し、ドイツを悩ませます。こうした地域には正規歩兵(regular infantry)とともに民兵を駐屯させましょう。パルチザン値(Partisan value)に注意し、パルチザン部隊が1つか2つ以上現れた地域では掃討作戦を展開しましょう。そうしないと物資をパルチザンに奪われてしまいます。
    13.1.5 海戦
     前にも書いたとおり、ドイツ軍が海戦で勝てる見込みはほとんどありません。運が良ければゼーレーベ作戦(Operation Sea Lion:あしか作戦)を発動して、イギリスに攻め込めるかもしれません。そのためには、イギリスの守りが手薄になっていなければなりませんが、それを当てにしてはだめです。ドイツはいつもそうですが、西側連合軍の守りが手薄になっている地域や時期を狙って攻めるのが基本です。
     イタリア軍には地中海の資源ポイント供給路を守らせるだけで、それ以上の働きを望んではいけません。おそらくドイツ軍は、ジブラルタルを攻略できないでしょうから、イタリア軍艦艇も(イタリアを母港とする潜水艦は除いて)地中海から外へは出られません。ただしドイツがエジプトを占領できたら、インド洋で輸送船団を襲撃できます。ただし西側連合軍が空母(Air Carrier)や重艦隊(Heavy Fleet)をドイツ海軍の襲撃部隊に差し向けてきたら、戦果はあまり期待できなくなります。なお、ドイツ海軍艦艇をインド洋に展開させる目的は撹乱に限定してください。ドイツ海軍が艦艇を失っても問題ない状況になるか、日本軍がインドを征服できるまで、インド洋での大規模な作戦は控えましょう。
     大西洋には潜水艦艦隊を配置して、連合軍にプレッシャーをかけてください。でもいずれは(特にアメリカ参戦後)、西側連合軍が膨大な数の軽艦隊や航空兵力を投入してくるので、潜水艦艦隊は形勢不利に陥ると覚悟しておきましょう。しかし潜水艦艦隊を各ターン2つずつくらい展開しているだけでは、連合軍に対するプレッシャーにはなりません。理想を言えば、6つから8つの潜水艦艦隊が実戦配備されるまで待って一斉に出撃させる方が、選択できる戦略の幅が広がります。十分な数の潜水艦が揃うまで、西側連合軍を別の戦いに引きつけておけば、この一斉展開戦法の効果はより一層高まります。潜水艦艦隊を1つ浮かべておくだけではすぐにやられてしまいますが、6つから8つ展開させて大西洋を埋め尽くせば、連合軍を大いに苦しめることができます。潜水艦戦では、「一撃離脱」を肝に銘じてください。潜水艦隊を広範囲に展開させて複数の目標を狙い、攻撃後はできるだけ連合軍航空部隊の届かない海域に集結させましょう。そうすることで西側連合軍の反撃をかなり受けにくくなり、潜水艦の損失も大幅に低下します。
     潜水艦隊は良いことずくめではありません。潜水艦隊を生産すれば、それだけ陸上兵力が犠牲になります。潜水艦は短期的には有効ですか、ソ連との戦いには投入できません。戦力を増強したソ連と戦う場合や、後年のバルバロッサ作戦(あるいは両方)において、ドイツが大規模な潜水艦艦隊を保有していれば、必ずや苦戦を強いられるでしょう。
     ドイツ軍の潜水艦はフランスからも出撃できます。フランスの港から出撃すれば、無防備ないし護衛の少ない輸送艦隊をイギリス近海で襲撃し、反撃を受ける前に母港へすぐさま帰投できます。この戦法を用いれば、西側連合軍に深刻な打撃を与えられます。しかも阻止するのは実質的に不可能です。唯一、イングランド周辺海域にかなりの数の艦隊を貼りつければ、それも可能ですが、そうすると大西洋ががら空きになります。
     重艦隊や軽艦隊には、孤立した西側連合軍艦隊(点在する輸送艦隊や軽艦隊)を沈めたり、敵が上陸作戦のために戦力を増強しているかどうかを警戒する任務に当たらせましょう。いざ敵が上陸作戦を開始したら、重艦隊や軽艦隊を盾にして、防御が薄い地域に増援を送るための時間を稼ぎしましょう。またバルト海への敵の侵入を防ぐために、デンマークに航空部隊や砲兵部隊を配備してください。
     空母建造は直ちに中止しましょう。その効果はすぐには現れませんが、空母を作らなければ、代わりに機甲部隊を生産できます。機甲部隊はすぐに戦線に投入できるだけでなく、空母よりも役に立ちます。
     最後に魚雷能力と潜水艦の回避能力の研究は怠らないようにしましょう。この2つの能力が向上すれば、潜水艦艦隊が西側連合軍の艦隊を粉砕するのも夢ではありません。
    13.1.6 東部戦線
     ソビエト連邦の攻略法にはいろいろありますが、そのひとつとして、ソ連と戦うときは―これは「もしもそうなった場合」というより「その準備として」という意味です。―東プロイセン(East Prussia)に機甲部隊を集結します。そして最初の侵略ターンでバルト三国からレニングラードまで攻め落とします。そうすればフィンランドが通過可能になり、そこから侵略軍の一部(4個歩兵部隊と1個戦闘機部隊)でカレリア(Kaleria)を攻略してアルハンゲリスク(Archangel)を脅かせば、西側連合国からソビエト連邦へのレンドリース(Lend Lease:兵器供与)を遮断できます(ただしペルシャ経由で若干のレンドリースはまだ可能です)。この侵攻作戦、特にレニングラード攻略戦では、航空部隊を活用しましょう。ドイツ軍が最初の攻撃でバルト三国からレニングラードまで攻略できれば、軍港に停泊中のソ連軍艦隊が消滅します。
     別の攻め方としては、ルーマニアに機甲部隊を集結させ、最初の侵略ターンでハリコフ(Kharkov)を攻略します。そうすれば早い段階で資源の宝庫コーカサス(Caucasus)を攻め落とすことができます。東プロイセンかルーマニアのどちらから攻めるにしても、ドイツはできるだけ深く敵陣に斬り込み、できるだけ多くの領土を占領しなければなりません。ソ連のプレイヤーが手馴れた相手なら、各ターンに相当数の機甲部隊や歩兵部隊を揃え、隙を見つけて反撃してきます。侵攻後最初の冬にはソ連軍による大反撃が始まり、ドイツは占領地域を奪還されることを覚悟しなければなりません。戦術的な話として、ソ連が砲兵部隊を多数配備しているなら、航空兵力で敵砲兵部隊の集結地点を叩いてください。航空部隊は砲兵への攻撃を優先します。砲兵は回避能力や耐久性(durability)が低いため、航空攻撃に特に弱いのです。
     東部戦線において攻勢限界点(自軍より敵軍の数が圧倒的に多くなった地点)に到達したら、防衛できるところまで戦線を後退させましょう。守る地域が狭ければ、それだけ多くの守備部隊を配置できます(戦線が狭ければ、守りやすいということです)。ただしルーマニアだけは死守しなければなりません。物資を生産し、研究を進めるためにルーマニアの工場と資源が必要なのです。
     ドイツにとってもっとも重要なのは、ソビエト連邦から戦争継続能力を奪うことです。領土を占領すれば、資源ポイントや工場を奪えます。特にコーカサスを攻略すれば、ソ連の戦争継続能力は大打撃を受けます。しかし前にも説明したとおり、東部戦線だけに集中せず、西部戦線やアフリカ戦線にも絶えず注意を配りましょう。西側連合軍がいずれ攻め込んできます。
    13.1.7 別の攻略法
     攻める側のドイツは、他の国よりもいろいろな戦略を取ることできます。ソ連への早期侵略に向けた陸軍強化を進めずに、海軍増強を図ってイギリス海軍に対抗するという戦略もあります。その場合、大量のUボートを生産し(研究で能力を高めつつ)、対艦攻撃機(Ship Killer aircraft)を配備します(魚雷能力を高めるのがもっとも効果的です)。さらに重艦隊の回避能力や対艦攻撃(Ship Attack)能力を高めるのも効果的です。早い段階でスペインからジブラルタルを攻撃すれば、地中海へ進出する道が開かれ、研究ポイントが豊富な中東を手に入れられます(ポルトガルへの進撃は無意味です。守らねばならない地域をむやみに拡大するだけです)。イギリスを著しく弱体化させてから、ソ連と対決すれば、高い確率で勝利を収められるでしょう。
     自分で考えた戦略も試してみましょう。戦略の幅を広げておくと、相手プレイヤーがこちらの意図を考えあぐねている間に、こちらが研究を先んじて進めれば、勝利を我が手にできるでしょう。研究が勝敗を分ける鍵となるのです。
    13.1.8 総括:ドイツの戦略
     ドイツは無敵ではありません。1943年以降、ドイツは戦力面で圧倒的に不利になります。絶対に避けては通れない対ソ侵攻をいつ行うか、それがドイツにとって特に重要な決断となります。ソ連との国境線に兵力と物資を終結させるまで戦端を開いてはなりません。また日本軍と連携してソ連を攻め込むことを考えておきましょう。東西からソ連を挟み撃ちにするのは、強力な戦略となりえます。ドイツ海軍が西側連合軍に破れて、防御が薄いところから連合軍が上陸してくることを考え、沿岸地域にはできるだけ砲兵部隊や対空砲部隊、戦闘機部隊を配備しましょう。さらにドイツには重要な戦いのみに集中することが求められます。最初の2年くらいは兵力を1つの戦線に集中して戦うことができますが、それ以降は多方面からの侵略の危機にさらされます。繰り返しになりますが、勝利の鍵は資源ポイントです。ドイツが工場をフル稼働できれば勝算はあります。それができなければ、工業力で勝る連合国の物量戦に敗北を喫するでしょう。

13.2 日本
     アメリカと中国という2つの西側連合国に挟まれた日本は、戦略的に不利です。
     「ワールドアットウォー」において日本の国力はドイツより劣ります。このゲームは、シンプルな世界大戦ゲームと比べて「史実」に忠実であることを重視しているため、日本が大きな工業力を持つことはありません。しかし日本はプレイし甲斐のある国です。資源を獲得して生産レベルを25〜30程度まで引き上げられれば、かなり有利に戦えます。とはいえドイツの生産レベル50、西側連合国の生産レベル75には遠く及びません。
     日本の戦略の基本は損得です。何を捨て何を得るのがもっとも日本の国益に適うのか、それを考えることが大切です。最初、日本は毎ターン、アメリカから3つの資源ポイントが無償で得られます。ですから資源ポイント1を得るためにタイ(Siam)を侵略して、アメリカからの3つの資源ポイントを失うのが得策かどうか、考えなければなりません。いずれにせよほとんどのターンにおいて、日本にはタイから自由貿易(Free Trade)を通じて、輸送船団(Transport Fleet)により資源ポイントがもたらされます。したがってタイに攻め込むのは得策ではありません。また航空部隊を使って中国のインフラ(infrastructure)を破壊するのも得策ではありません。それなら中国軍部隊を爆撃すべきです。こうして日本は選択を迫られますが、誤った選択は日本を危機に陥れます。中国や東南アジアで日本が勝てるかどうかは、ドイツが有利に戦いを進められるかどうかにかかっています。ドイツが弱ければ、日本軍はそのうち中国軍、西側連合軍、ソ連軍によってアジア大陸から駆逐されるでしょう。
     真珠湾攻撃まで日本軍は、全航空兵力を中国軍地上部隊への爆撃に投入し、中国軍をできるだけ弱体化させます。その後は物資配分のバランス調整をしなければなりません。占領した地域の再建に物資が必要になるため、マップに展開する艦隊への物資補給を制限しなければならないからです。
     第一目標は中国の沿岸地域の攻略です。この段階で、中国内陸やタイに攻め込むのはやめましょう。まずは輸送艦隊や歩兵、砲兵部隊の数を増やすのが先です。そうすれば、ビルマ(Burma)、マラヤ(Malaya)、オランダ領西インド諸島(the Dutch West Indies)、フィリピン(the Philippines)を2ターンで占領できます。
     1940年シナリオや1941年シナリオの場合、アメリカ合衆国(the United States)を攻撃するのは1941年秋まで待ちましょう。1942年になると、なにもしなくてもアメリカの生産能力が2倍になります。つまり1941年はアメリカの生産力がアップしない最後の年なのです。そこで日本が1941年秋ターンまで真珠湾攻撃を待てば、アメリカの生産力(modifier)が3倍に跳ね上がるのを1942年最初のターンまで遅らせることができます。真珠湾攻撃後、日本は太平洋のいくつかの島に、航空機、砲兵、対空砲、歩兵による混成部隊を配置して、アメリカ側からの反撃を防ぎましょう。
     戦局の流れにもよりますが、インドや中国を攻めるのも有効な戦略です。中国を攻略するには大量の歩兵が必要になります。というのも中国大陸では、かなりの数のパルチザンや民兵が出現するからです。「安全」なエリアには民兵を守備隊として配備し、歩兵を攻撃部隊に回しましょう。1940年と1941年は、中国を征服して奪った資源ポイントを修復するために、数ターンほど物資の軍事利用を抑えなければなりません。艦隊を動かすと多くの物資を消費するので、艦隊の移動は必要なときだけに限定しましょう。ただし、真珠湾を攻撃するとか、アメリカ軍の空母艦隊に一大決戦を挑むなど、プレイヤーの野望を達成するため、艦隊を出撃させるのはやぶさかではありません。
     アメリカと戦うためには、少なくとも物資を100ポイント蓄えるとともに、歩兵部隊を6つ、砲兵部隊を3つ、仏領インドシナにあらかじめ配置して、オランダ領西インド諸島/ボルネオ(Borneo)/マラヤ方面の資源ポイントをすぐに奪取できる体勢を整えておきましょう。物資ポイントが100にならないかぎり、日本は宣戦布告できる状態にはありません。
     中国が防空用の対空砲や戦闘機を十分配備できるまで、日本軍は真珠湾攻撃のための航空部隊を使って中国軍を猛攻撃し、戦力を殺ぎましょう。これと同時に中国沿岸部を攻略して資源ポイントを獲得しつつ、大陸にすでに展開中の味方部隊と連絡し、一大戦線を形成してください。陸上部隊が他の戦線で必要になったら、広東(Canton)から撤退し、パルチザンに明け渡しても構いません。ただ広東から撤退した場合には、中国軍の戦力増強を許してはなりません。そうしないとあとで手痛いしっぺ返しを食らうことになります。中国が対空砲の数を増やし、日本軍の空爆に多大な犠牲を強いるようになったら、この空爆作戦ももう潮時でしょう。
     空爆を停止したら、南方進撃を支援できるところまで航空部隊を戦略移動(strategic movement)してください。戦略移動は物資を消費しません。この時、戦略移動ができない場合や攻撃作戦を支援する場合を除いて、戦術移動(tactical movement)を使うのはやめましょう。当然ながら、日本軍が地上部隊で中国を攻めるときは、圧倒的な数の兵力を投入して中国軍を逃がさないようにしましょう。占領地を拡大しても、敵軍を逃がしては元も子もありません。
     西側連合国を攻める時が来たら、空母艦隊を真珠湾(ハワイ)から2海域(region)以内のところまで近づけます。そして真珠湾を空爆(strike)したのち、艦隊をマリアナ諸島海域に移動するか、日本近海に退却させます。そうすれば1〜2年は防御態勢のまま同じ海域で待機できます。
     1ターンごとに重艦隊を1海域ずつ、空母艦隊に近づけて合流させます。軽艦隊も同様に移動し、空母艦隊に合流させます。こうして大艦隊を編成すれば、好きな方面に進撃して連合軍を脅かすこともできますし、占領した地域の防衛にも使うことができます。
     ここで一言忠告しておきます。日本における輸送艦隊の大切さをいくら強調しても、しすぎることはありません。日本は四方を海に囲まれ、資源地域から離れています。したがって日本が貴重な資源ポイントを我が物とするには、輸送艦隊を使うしかありません。実際の大戦と同じく、こうした国運を左右する生命線は連合軍の攻撃に極めて弱く、どんな犠牲を払ってでも死守しなければなりません。
     輸送艦隊は他の艦隊に比べて建造費が安いので、生産ラインに数ユニット追加するのは、将来の損失分を考えれば賢い投資と言えます。もちろん重艦隊、軽艦隊、空母艦隊が海の底に沈んでしまっては、輸送艦隊を守る術がなくなってしまいます。そうなったら、竹槍で本土を守るしかありません。
    13.2.1 日本対ソビエト連邦
     日本が使える対ソ戦略のひとつに、ドイツと連携してソビエト連邦を挟撃するというのがあります。この戦略を使う場合は、西側連合軍と戦端を開くのを1942年後半まで延期する必要があります。またシベリアの奥深くまで攻め込めるよう、あらかじめ強力な歩兵軍団を編成しておく必要があります。そうすれば西から攻めてきたドイツ軍とウラル山脈で合流するのも夢ではありません。さらに研究を通じて歩兵の攻撃能力を向上させれば、日本軍の前に立ちはだかるソ連軍を蹴散らせるでしょう。シベリアを占領したら、資源ポイントを修復するだけでなく、地上部隊を迅速に再配置できるようにシベリア横断鉄道(Trans-Siberian Railway)を復旧して、1942年秋から始める西側連合国への攻勢に備えてください。当然ながら日本が対ソ侵攻を始めたと同時に中国が反撃に転じる可能性があります。できればソ連に攻め込む前に中国を無力化しておきましょう。たとえ日本軍がソ連に攻め込まなくても、満州に大規模な戦力を駐留させてソ連軍を引きつけおくだけで、同盟国のドイツは感謝してくれるでしょう。
    13.2.2 日本の研究
     西側連合国がどんな研究を進めているか、つねに注意していましょう。連合国が潜水艦の魚雷や回避能力の研究を始めたら、日本は軽艦隊、重爆撃機(heavy bomber)、空母航空隊(Carrier Airgroups)の対潜戦能力(Anti-submarine Warfare ratings)を高めてください(この対潜戦能力がなければ、アメリカ軍の潜水艦はほぼ無敵となります)。もし戦いが日本にとって有利に展開しているなら、重艦隊や軽艦隊の防御能力を研究しましょう。
    13.2.3 ハワイ攻略
     輸送艦隊の輸送力はさほど必要ありません。しかし東南アジアからの資源ポイントがなければ、日本は十分な生産力を維持できません(アメリカから各ターン貰っていた3つの生産ポイントが遅くても1941年夏までには得られなくなります)。アメリカは開戦と同時に生産力が飛躍的に増大します。ハワイ攻略は確かに魅力的ですが、この本土から遠く離れた島を占領したとして、復讐に燃えるアメリカの猛攻から守りぬくのは至難の業です。
     アラスカやハワイを含めた西半球への侵攻は、日本軍がアメリカ軍艦隊を撃滅し、オーストラリアやインドを征服し、ドイツ軍がソ連を占領するまで控えた方が無難です。もちろんこうした状況が生まれるためにはさまざまな前提条件が満たされなければなりません。ゲームの早い段階でハワイを攻めるのは、敵の急所を攻めるというより、蜂の巣を突くことになるので注意してください。
    13.2.4 島嶼(とうしょ)守備隊
     島に守備隊を配置することで、その周辺海域に侵入して日本の輸送艦隊を攻撃しようとする連合軍の動きを簡単に封じることができます。太平洋の島々は日本軍の前哨基地です。航空部隊が配備されている島は、周辺海域を通過する敵艦隊を自由攻撃(op-fire)します。日本軍の守備隊がいる島を連合軍は使うことができません。守備隊のいない島があれば、連合軍はほぼ確実に航空兵力を配備し、そこから日本を空襲するでしょう。

13.3 ソ連
     ソ連が生き残るか滅亡するか、それはゲームの初期段階においてドイツがどう動くかによって決まります。当然ながら、1942年と1943年のシナリオでは、すでに独ソ戦は始まっています。しかし1940年のシナリオ(1941年のシナリオもある程度)は、ドイツの意図がゲーム開始段階では明確ではありません。いずれの場合でも、ドイツ軍侵攻に対する防衛計画を練っておくべきです。そうしないのは愚の骨頂です。
     したがって、ゲームの初期段階から中核となる戦車部隊を配備しておくのが、戦略的に極めて正しい選択です。確かにドイツが極めて攻撃的でないかぎり、ドイツの対ソ侵攻が始まった直後のターンでも、防衛の中核となる6〜10個の戦車部隊を完成させる時間的余裕はあるでしょう。しかしこれは非常に危険な戦略です。ドイツが早い段階で攻めくることも考えられます。ドイツのプレイヤーがソ連の状況を察知したら、対ソ侵攻を前倒しするかもしれません(戦場の霧がONになっていればその可能性はありません)。
     ドイツ軍が攻めてきたら、キエフ(Kiev)とベラルーシ(Belorussia)の工場はすぐに奪われるでしょう。そこで、この2つの地域の工場では、研究や物資生産を行うという手があります。(物資はすぐに移動できるので、敵に奪われる心配がありません)。またこれとは別に、歩兵や砲兵のみを生産して、侵略してきたドイツ軍に損害を与え、侵略ターンで両地域を占領させないという戦略もあります。ただしこの戦略は、この2地域が生産中のユニットともどもドイツ軍に占領され、多大な損害を強いられる危険性をはらんでいます。
    13.3.1 ソ連の戦略
     ゲームを始めて最初のターンは、モスクワにおいて4つの機甲部隊か砲兵部隊(あるいは両方)を生産します。(モスクワはドイツ軍がどこから攻めてきても応戦できる良い拠点です。)
     できるだけ早いうちに、歩兵、機甲、砲兵の攻撃能力の研究をしましょう。ドイツ軍が攻めてきたら、ソ連軍はどんなに回避能力が高くても撃破されます。それなら可能なかぎり多くのドイツ軍部隊を道連れにすべきです。
     ドイツと国境を接する地域の余剰物資はすべて移動させましょう。(各エリアの物資ポイントは5です。守備隊用の1つを除いて速やかに運び出してください。)
     最初の3ターンほど、ハリコフとレニングラードで歩兵と砲兵を1つずつ生産します。ドイツ軍が最初の侵攻ターンで、このどちらかの地域を攻略するために機甲部隊の主力を使わざるをえない状況を作るのです。
     最初の3ターンくらいは、歩兵と砲兵を1対1の割合で生産してください。そうすれば、ドイツ軍侵攻が始まってから現れる民兵とともに、命を賭して敵軍の進撃を止める兵力が十分に揃います。砲兵を数多く用意することが極めて重要です。敵に対する砲兵の攻撃力は歩兵の3倍あり、これ以上に敵の進撃を止めるのに有効なユニットはありません。
     対空砲部隊は侵略されそうな地域に移動しておきましょう。チャンスがあれば、さらに数ユニット生産しましょう。できれば対空砲の航空機攻撃能力も高めてください。
     ウラジオストク(Vladivostok)の生産能力の使い方についても戦略があります。すべてを研究に回すのです。地理的にもユニットを生産するには遠すぎます。確かにシベリア鉄道を使って生産したユニットを輸送できます。ですがウラル地方で多数のユニットを生産すると、それを西部戦線へ運ぶだけで鉄道は手一杯になり、ウラジオストクで生産したユニットは移動できず、長いこと待たされます。
     ドイツ軍侵攻後初めての冬に大反攻に打って出る、これがドイツ軍を撃滅できる可能性がもっとも高い戦略です。物量面で優位に立ち、悪天候が味方してくれる最初の冬に、ソ連軍は文字通り全兵力を投入して大反撃を行わなければなりません。もしも戦闘ユニットが前線に配置されていないとか、物資が不足しているために、この反撃のチャンスを逃がせば、天候が回復する次のターンでソ連軍は大打撃を受けることになります。
     ソ連は工場を東へ疎開できます。しかし工場の移動には鉄道が使われ、その間は鉄道を使った戦闘ユニットの前線移動ができなくなるので注意してください。戦線に穴を開けて工場を疎開させるより、戦闘ユニットを最前線に配置してドイツ軍の進撃を食い止める方が戦略的に重要です。工場を疎開させれば、すべての列車は工場設備を積んで東に向かいます。その間、西へ向かう歩兵や砲兵の輸送はできないのです。また生産継続に必要な資源を得るために、最低でも9か所の工場、できれば10か所の工場を稼働させておく必要があります。工場が11か所や12か所あっても、資源不足にならないので、心配はいりません。絶対にドイツ軍のコーカサス占領を阻止してください。コーカサスを奪われれば、貴重な資源供給地を失うことになり、たとえドイツから奪い返したとしても、資源センター(Resource Centers)を修復するのに大量の物資が必要になります。またドイツはコーカサスで奪った資源を使って、工場を稼働させるでしょう。コーカサスを奪われれば、ソ連の敗北が早まります。
     また日本の動きにも注意してください。日本軍が国境地帯に戦力を集中させたら、ソ連も大規模な守備隊を配備して、日本の動きを牽制しなければなりません。質の面でソ連軍は日本軍に勝っていますが、独ソ戦が始まったら、資源の豊かなシベリアを守るために多くの部隊を割くことは難しくなります。日本軍が国境線から後退するか、西側連合国を攻撃するまで(あるいはその両方が起こるまで)、ソ連はシベリアから守備隊を引き抜くことはできません。

13.4 中国
     中国は日本軍の侵略に翻弄されるため、敬遠されるかもしれません。ですが実際は初心者がゲームを覚えるのに適した国で、日本軍が総力を挙げて攻め込んでくるか、ドイツがソ連を征服して状況が一変しないかぎり、征服されることはありません。誰も中国をプレイしたくないなら、西側連合国が追加的にプレイするのに良い国です。
     中国を選んだプレイヤーは、日本軍航空部隊の攻撃に悩まされるでしょう。そこで最初は、地上部隊を日本軍の空爆から守れるだけの対空砲や戦闘機を生産することに専念しましょう。十分数が揃ったら、日本軍は航空部隊の損害を恐れて、空爆をやめるはずです(西側連合国にとっては、日本軍が中国に空爆を続けてくれた方がありがたいのですが)。
     さらに中国を空爆から守る方法として、領土の一部を放棄して戦力を集中し、対空防御能力の高い数個の大軍団を編成すれば、日本軍航空部隊の攻撃にも持ちこたえられます(少なくとも攻撃側に大打撃を与えるでしょう)。
     日本軍を内陸部(海に隣接していない地域)に攻め込ませましょう。そうすると日本はアメリカから得ていた資源ポイントを3つ失い、中国の生産力が増加します。この戦略の鍵は、長沙(Changsha)を大部隊で守り、他の重要ではない地域や日本軍を誘き入れたい内陸部を放棄することです。戦線を縮小して空爆に対する防御を固めれば、中国は長く生き延びられます。それでも日本軍は中国の領土を切り取るでしょうが、多くの犠牲を強いて侵略を困難なものにすることは可能です。
     長沙攻略に向けて日本軍が戦力を増強しているのがわかったら、工場も兵力もすべて重慶(Chungking)に後退させるのが得策でしょう。この工場の移動と修理はレンドリース物資で賄えます。中国の限られた生産力で物資を生産するのは賢明ではありません。物資に関してはソビエト連邦や西側連合国からの援助を当てにしましょう。まず長沙に後退して、日本軍の大部隊を長沙に引き込んでから重慶に撤退すれば、日本軍は追撃してくるでしょう。そうして日本軍に限られた物資の浪費を強いるのです。

13.5 西側連合国
     イギリス、フランス、アメリカが集まって1つのパワーを形成しているので、プレイヤーにはこの3か国の生産力と軍事力を統合的に使えるメリットがあります。
    13.5.1 フランス
     ドイツのプレイヤーが慣れていないか、不運に襲われないかぎり、フランスはすぐにドイツに征服されます。しかし占領されたフランスを解放することも可能です(そして西側連合国に復帰します)。解放されたフランスは陸上部隊の生産に必要な人的資源を提供してくれます。西側連合国は生産力があっても、人的資源が少ないためにユニットを生産できない状況を打破できます。ですから、フランスを解放したら、何よりも先に1つ以上の工場を修理してください。
    13.5.2 イギリス(英連邦)
     イギリスには幅広い選択肢があります。インド、オーストラリア、ブリテン島、北アメリカなど守るべき地域と攻撃すべき地域が数多くあるのです。イギリスが唯一西側連合国として抱える問題は、破竹の勢いのドイツ軍が東を攻めずに、イギリス本国にその矛先を向けてくることです。1940年と1941年のシナリオでは、ドイツの動きにできるだけ注意しなければなりません。そして大規模な海軍戦力を維持し、軽艦隊および重爆撃機、空母航空部隊の対潜戦能力を向上させましょう。あとになってアメリカが参戦すれば(1940年と1941年シナリオの場合)、イギリスの経済力が飛躍的に伸び、アメリカから戦闘ユニットが絶えず供給されるようになり、唯一残った西側連合国として「孤軍奮闘」する重圧から解放されます。イギリスは生産コストの安いユニットの生産を、工場に比べて人口が多い英連邦加盟国に任せ、イギリス本国は本土や輸送艦隊の航路を守る艦隊や航空部隊の生産に専念すべきです。
    13.5.3 アメリカ合衆国
     大半の戦争ゲームにおいて、アメリカの地理的優位性は高いです。敵軍が強運に恵まれて北アメリカ大陸に地歩を築かないかぎり、アメリカは誰にも邪魔されずに研究や生産を進め、海軍、空軍、陸軍の増強(この優先順位で)に集中できます。強力な海軍を整備すれば外敵から国土を守れ、正式に参戦する前からイギリスの防衛を支援できます。生産活動は、物資の生産、研究、高価な艦隊の建造の三点に絞ってください。イギリスが物資不足で危機に陥り、研究競争(research war)で遅れをとる中で、アメリカ本土でじっとしているだけのユニットを生産しても、なんの意味もありません。
    13.5.4 世界戦略
     西側連合国にとってもっとも重要なルールは、資源ポイントを枢軸国に渡さないことです。資源ポイントだけでも、枢軸国はゲームに勝利できます。資源ポイントが攻撃を受けたり、脅かされたら、それがどこであろうとも、死守しなければなりません。
     どんな状況でも、枢軸国に犠牲を強いることなく簡単に資源ポイントを渡してはなりません。可能なかぎり妨害して、枢軸国の資源を枯渇させ、戦争を継続できなくするのです。
     ドイツに対して、西側連合国は艦隊を使って地中海を封鎖します。枢軸国は北アフリカから資源ポイントが得られなくなると生産が滞るだけでなく、ヨーロッパ南部の海岸全域ががら空きになり(特にドイツ軍が対ソ侵攻を始めたあと)、連合軍が上陸しやすくなります。
     Uボートは連合国にとって悩みの種ですが、軽艦隊や空母航空隊(あるいは重爆撃機)の対潜戦能力に集中的に向上させ、ゲーム開始直後から軽艦隊や空母艦隊に積極的に物資を供給すれば、この問題はたいてい解消されます。Uボートを掃討して脅威を取り除けば、大西洋は連合国の湖となり、ドイツを大いに悩ませるでしょう。西側連合国がゲームの最初から対潜戦能力の研究を始めなければ、大西洋に展開するUボートの数は増え続け、連合国は多大な損害を受けるおそれがあります。なお、研究と物資を対潜戦に集中すれば、初期段階の連合国は他にほとんど生産できません。
     生産に関して、資源に乏しいドイツに比べ、連合国の資源は豊富です。したがって連合国は好きなだけ工場を増やしても、工場を稼働させる資源は尽きません(少なくとも1944年まで)。その一方ドイツはコーカサス地方などソ連の資源地域を占領しないかぎり、慢性的な資源不足に陥ります。これは日本も同じで、オランダ領西インド諸島を手中に収めるまで、生産力が14ポイントを超えることはなく、低い工業力に苦しみます。
     西側連合国の最大の強みは、他のワールドパワーを凌駕する巨大な工業力です。これをうまく活用することが勝利への鍵です。初期シナリオ(1940年と1941年)において、ドイツ軍がソ連ではなくイギリスに攻めてきた場合は、イギリスの防衛強化に生産力を集中しましょう。そしてドイツ軍が対ソ侵攻を始め、イギリスへの攻撃が緩まったら、反撃に転じて大西洋の壁(Atlantic Wall)を徹底的に粉砕してください。もしもソ連がドイツ軍の侵略を食い止められたら、Lend Lease(レンドリース)画面から物資をソ連に送って支援しましょう。ドイツ軍侵攻後初めての冬ターンまでに、ソビエト連邦が十分な物資を確保できれば、ドイツ軍への反撃はより一層強力なものになるはずです。西側連合国は物資を他国に与えることができます。これをうまく利用して戦いを有利に進めましょう。
     結局のところ、ドイツとソ連は遅かれ早かれ戦火を交えます。そして日本とアメリカもいずれ戦うと考えていいでしょう。これは他の連合国にとってはありがたい話です。日本が真珠湾攻撃したら、数個の空母艦隊を直ちに建造して配備しましょう(アメリカ西海岸に配備すれば、すぐに太平洋戦線に展開できます)。史実では、アメリカは「ヨーロッパ優先」の方針を取りました。それは戦略的に妥当な理由からです。連合国にとって最大の脅威は、強大なドイツがソ連を滅ぼしてしまうことです。それはなんとしても阻止しなければなりません。一方、日本は中国、インド、オーストラリアにとって脅威ですが、枢軸陣営を勝利に導けるだけの工業力は持ち合わせていません。ゆえに連合国には、ドイツと戦って破ったあとでも、日本を敗北させる時間は十分にあります。しかしソ連が敗れれば、アメリカの工業力を持ってしても、枢軸陣営に勝利することはできなくなるのです。






新着情報製品紹介スクリーンダウンロード攻略ヒントFAQ購入

© 2005 Matrix Games and 2by3 Games All Rights Reserved. Matrix Games and Matrix Games logo are trademarks of Matrix Games and Gary Grigsby’s World at War is a trademark of 2by3 Games and Matrix Games. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners and Matrix Games and 2by3 Games make no claim thereto.

© ZOO Corporation. All rights reserved.